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四季株式会社|コスチューム


ビーズがひとつ取れても舞台に影響が出る責任重大な仕事です。
舞台衣裳に携わりたいという夢を叶え、劇団四季の舞台美術部で『オペラ座の怪人』や『バケモノの子』などの演目に使う衣裳の調整と管理を担当。キャリアを磨き続けている村上佳穗さんからみなさんへエールをお届けします。

四季株式会社 舞台美術部
コスチューム
村上 佳穂さん 和洋女子大学→アパレルデザイン科
2013年度卒業
千葉県/私立和洋国府台女子高等学校出身
PROFILE
中学3年の春休みにイギリスで『レ・ミゼラブル』の舞台を鑑賞。高校の授業で劇団四季『キャッツ』の舞台裏の映像を視聴し、舞台の仕事に携わりたいと考えるように。 2013年に和洋女子大学家政学部服飾造形学科を卒業。同年4月にドレスメーカー学院アパレルデザイン科に入学、2014年3月に卒業。同年4月より劇団四季で舞台衣裳の仕事に携わる。担当している演目は『オペラ座の怪人』、『バケモノの子』など。

早替えの加工から生地の見直しまで、仕事は様々

中学校の語学研修でイギリスを訪れた際、『レ・ミゼラブル』の舞台を見る機会があり、こんな世界もあるんだ!と感動。高校の授業で劇団四季の『キャッツ』を題材にした舞台裏の映像を見たことをきっかけに、舞台衣裳に関わる仕事をしたいと思うようになりました。大学に進学して服飾について学んだ後、技術力を磨きたいという思いから、ドレメのアパレルデザイン科に入学し、卒業後、劇団四季に入社。以来、衣裳部で、演目に使う衣裳の調整や管理を行う仕事をしています。

私の仕事内容は多岐にわたり、デザイナーが描いた衣裳を形にしたり、演目に使う衣裳に早替えの加工をしたり、メンテナンスなども行います。本番ではドレスのビーズがひとつ取れただけでも、命取りになることが。舞台の機構に挟まったら故障や事故に繋がりかねないので、補強や修繕は欠かせません。

また、舞台衣裳は長く使い続けていくものなので、ランニングしてみて衣裳の消耗が激しければ、生地を見直しすることもあります。衣裳が重くて俳優さんが動きにくかったり、汗をたくさんかいてしまうようなときは、こちらから軽量化のプレゼンをさせてもらうこともあります。ある演目では色落ちしている衣裳を劇場で染めたこともありました。本番では舞台の袖で待機し、俳優さんの早替えをサポートするのも、衣裳担当の仕事です。

2023年度は、初演から関わっていたスタッフの一員として、『アラジン』の衣裳管理をサポートしました。同じく初演から関わっている『バケモノの子』では東京公演の千秋楽を担当し、現在は大阪公演の準備などを行っています。『美女と野獣』では舞台の袖に入り、野獣の衣裳を担当。担当している年数としては一番長い演目になる『オペラ座の怪人』では、衣裳デザインを手がけるチャンスを得て、私が提案したデザインが採用されたことも印象深い出来事になりました。

私の職場では、生地を染めたり、ペイントしたり、加工を自分たちですることが多くあります。社会に出ると、この素材ならこの染料で染めたほうがいいなど、素材に関する知識が必要になる場面が出てくるので、学生時代にしっかり学んでおいてくださいね。

また、服を作るときは、見た目のかわいさだけにとらわれず、体に合わせることをしっかり意識したほうがいいと思います。これぐらいでいいや、とゆとりを考えるのではなく、自分はこういうシルエットにしたい!という根本の部分は妥協しないのがベスト。自分が作りたいものや、作るもののシルエットなどは、服装史を理解しておくとヒントがたくさんあると思います。それをしっかり学べるのが、ドレメのいいところなので、ぜひ知的好奇心を高めてください。

劇団四季ミュージカル 『バケモノの子』/撮影:阿部章仁

私の場合、高校時代までは、漠然と舞台衣裳に関わる仕事をしたいと思う程度でしたが、大学時代に小劇団の衣裳づくりのお手伝いをしたことがきっかけで、この道に進みたい!という思いが明確になりました。担当する演目にもよると思いますが、今の職場にはチャンスがたくさん転がっています。運とチャンスを見つけたら、逃がさないようにしていきたい!そのためには自分で行動を起こすことが一番大切だと思っています。

待っているだけでは、何も起きない。そう思うので、みなさんもぜひ自分から情報を取りに行き、行動することを心がけてください。

※内容は取材時のものです。